- いっぺん
- I
いっぺん【一偏】(1)一つの傾向に偏っていること。
「身を~に決せず/太平記 34」
(2)いちずにそうすること。 もっぱら。 ひたすら。「後生ヲ~ニ願ウ/日葡」
(3)他の名詞の下に付けて接尾語的に用い, もっぱらその状態であることを表す。II「武骨~」「正直~」
いっぺん【一変】すっかり変わること。 また, 変えること。III「情勢が~する」
いっぺん【一片】(1)たった一枚。 ひとひら。「~の紙切れ」「~の花びら」
(2)大きなものから切り取られた一部分。 ひとかけら。「~の肉」
(3)わずかばかり。 ほんの少し。IV「~の雲」「~の良心もない」
いっぺん【一編・一篇】(1)一つのまとまった文章・詩・小説・論文など。(2)いくつかの文章をまとめた書物一つ。(3)一つの小説・論文などの, 内容を区分した最初のひとまとまり。Vいっぺん【一辺】(1)一方の側。(2)多角形の一つの線分。VI「三角形の~」
いっぺん【一遍】(1239-1289) 鎌倉中期の僧。 時宗の開祖。 伊予の豪族河野通広の子。 諱(イミナ)は智真。 諡(オクリナ)は円照大師。 延暦寺で天台宗を学び, 太宰府で法然の孫弟子で西山派の聖達を師とする。 のち熊野本宮に参籠して霊験を得, 名を一遍と改める。 念仏札を配る諸国遊行に出て, 各地で念仏や踊り念仏を勧めた。 そのため遊行上人(ユギヨウシヨウニン)・捨聖(ステヒジリ)ともいわれた。 その教説をまとめたものに「一遍上人語録」などがある。VIIいっぺん【一遍】※一※ (名)(1)一回。 一度。「~行ったことがある」「~で成功した」
(2)名詞の下に付いて接尾語的に用い, 表向きだけで誠意のこもらないこと, 形だけであることの意を表す。「通り~」「義理~」
→ 一偏(3)一部始終。「カノ~ヲ語ッテ/天草本伊曾保」
※二※ (副)ずっとひとわたり。 そこらじゅう。「お前の行方を~と尋ねました/歌舞伎・三人吉三」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.